キーボード・ヒーロー…

またロック・キーボード界のヒーローがひとり、天国へ旅立ちました。

レイ・マンザレク氏(ドアーズ)です。

どうか安らかに…。

ドアーズというバンドは、話題に取り上げられる際は、ほとんどボーカルのジム・モリソン氏の事が中心で、他のメンバーは名前すら知らないという方も多いと思います。

(初期の)ドアーズは、ベースプレイヤーがいません。ボーカル・オルガン・ギター・ドラムスという編成で、レイ・マンザレク氏が左手でローズ・ベースピアノ、右手でVOXコンチネンタルを弾く事でバンドのサウンドが成立しておりました。

左手ベース、右手ハーモニー&メロディ…これがハモンドオルガンなら、ジャズ・オルガンの王道奏法なのですが、ローズ・ピアノとVOXのトランジスタ・オルガンでプレイする事で独特の角の立った鋭い『あのサウンド』が出せるのですね。

僕もベース・プレイヤーのいない編成で、ハモンドではないキーボードをプレイする時は、シンセを2台使って左手シンセベース、右手コンボオルガンのパッチでプレイします。その時心に思い浮かぶのは、いつもレイ・マンザレク氏のドアーズでの映像でした。

今、売場のキーボード/シンセ・コーナーでは、ドアーズのライブ音源をBGMにしております。当売場でもささやかながら追悼の意味も込めて…。

天国ではジム・モリソン氏が待っていて、今頃再会を喜んでいるのかも知れませんね。

我らがキーボード・アイドル、ディープパープル/ホワイトスネイクでバンドの要となってロック・キーボードの基礎を築いたジョン・ロード氏が天国に旅立った時もすごくショックでしたが、レイ・マンザレク氏も…となると、やはり寂しいですね…。

(藤田貴光)